俺の屍を越えてゆけ』が12年の時を越えて

SCEは、PSP用ソフト『俺の屍を越えてゆけ』を明日11月10日に発売する. ゲームデザイナー・桝田省治さんが企画およびゲームデザインを手掛け、1999年にPSで発売された『俺の屍を越えてゆけ』が12年の時を越えて復活! 最大の特徴である"世代交代"のシステムや独自の世界観などはそのままに、グラフィックや戦闘システムの刷新、季節の概念、オリジナル武器作成、形見の継承、神々のレベルアップ、奥義の調整など、さまざまな新要素が追加されている. また、アドホック通信を利用することで、一族同士で"結魂(けっこん)"したり、自分の一族から分身をあげられる"養子"システムや、氏神を交換する"分社"などが手軽に行えるようになった. →ゲーム画像を見たい人はソフトカタログをチェック. 1983年にカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したこの作品. 日本人なら誰もが耳にしたことのある「お婆捨て山」という悲しい話を、単なる泣ける映画にするのではなく、逆に生命力溢れる力強い演出で描いているところが本当に凄いと思いました. 昨今の日本映画ではあまり見受けられないこの生命力溢れる力強さ. まさにこれぞ日本映画の傑作だと思いました. 実は昨年末に「傑作映画は1980年代に集中している」ということを再認識してからというもの、ことあるごとに1980年代の傑作を見るようにしているのですが、本当にこの時代の映画は洋邦問わずにいい映画がたくさんありますよね. 私も長いこと映画ファンをやってますが、やっぱり1990年代や21世紀に入ってからの映画を中心に見てしまうため、1980年代ってどうしても疎かになってしまっていたんです. でも改めて見ると、今の映画にはない力強さや実直さなどがあり、実に「映画として」面白い作品ばかり. TVドラマの延長みたいな映画が増えている最近の作品とは「映画としての」レベルが違うと思いましたよ. そんな中で世界でも高い評価を受けたこの作品. とにかく見ていて思うのは「死」というものを完全に「生」という視点で描いているということ. つまり飽食の現代であれば「死」は一人の人間の人生の終わりということで認識されていますが、食べるものを確保することで必死だった時代では「死」は他者を生かすための一手段としてしか考えられていないということなんですよね. 普段の私たちの便利な生活環境から考えれば分かりにくいことかも知れませんが、本来生き物というのは弱肉強食の世界で生きているもの. ならば子供が一人生まれれば働けなくなったお年寄りは口減らしのために消えていくのは決して不思議なことではない. そのあたりを今村昌平監督は蛙の交尾やネズミを丸呑みする蛇などのシーンを交えて描いているのが本当に素晴らしいかったです. 人間は理性と知識を持てば持つほど悲しみをより感じてしまうそうです. でも生きることで必死なあの時代. 生まれた子供が売られていくのも不思議ではないそんな時代. 子を想い、家のみんなを想い、自ら楢山へ捨てられに行くおりん婆さんに悲壮感などはなく、むしろこの「山へ捨てられる」ことも子を想う親の愛にも見えてしまう凄さ. そしてそれが何百年と続いていたということを表現したかのような山奥に散乱する白骨の多さ. 悲しみを悲しみとして受け入れる余裕さえなかったことを表現するかのように、おりん婆さんの着物を他の家族が着ているラストも、本当に「生きる」ということがいかに大変かを言い表していたのではないかと思いました. 100年来の大不況と言われている今の時代. TVを見ればセレブ気取りの人たちがワイドショーを賑わし、一方でニュースを見れば派遣切りにあった人が犯罪を犯し捕まっている. 「生きる」ということに対する認識がおかしくなり始めている現代だからこそ、改めて見る価値のある映画であるように思えました. 深夜らじお@の映画館 をこれからもどうか見捨てないでください.

ジャック・スパロウ船長はたくさん出てくるのに、ウィルとエリザベスがこの映画の主人公になっているせいでしょうか、過去2作と比べても映画としては面白いものの、『パイレーツ・オブ・カリビアン』としてはどこか物足りないものを感じました. この映画を料理に例えるなら3時間ひたすら御馳走を並べられた感じがする豪勢なものです. オープニングからいきなりチョウ・ユンファ兄貴演じるサオ・フェンが登場、爆破ありドタバタありのジェリー・ブラッカイマーらしいもので満足はします. しかしそこから休憩なしに続く豪勢な映像と物語が少々辛いです. どんなに御馳走を並べられても箸休めがほしくなるのが人間の欲というもの. ひたすらスケールの大きいスゲ~映像ばかり見せられてもねぇ~という気分になってしまいます. アジアの帝王であるチョウ・ユンファ兄貴も大した活躍もせずに御役御免になるし、エリザベスが船長になる確たる理由も明かされず. バルボッサは活躍するのにスパロウ船長に活躍シーンなしなどで、中盤は少しばかりだれましたね. しかもこの映画の大半は船上でのシーンばかり. 陸に上がってしっかりとストーリーを落ち着かせることもなく、甲板でふらついてしまうように父親を助けたいと願うウィルも海賊側についたり東インド会社側についたりと、策略があるとはいえ揺れる始末. あぁ~蜘蛛男に続き、カリブの海賊も3作目はダメかぁ…と思っていた矢先! ついに登場してくださいました、我らがキース・リチャーズ閣下!!ジャック・スパロウの父親役でご登場なんですけど、まぁこれが凄くシブくて格好いいんです. 風格が違うとはまさにこのこと! 伝説という名に相応しい一挙手一投足. 魂が震えそうでしたよ. そして海賊vs東インド会社の全面対決!?になるかと思われたラスト一時間. 実際に蓋を開けたらブラック・パール号vsベネット卿&デイヴィ・ジョーンズでしたが、これが実に面白い!!観客を興奮させる撮影技術、選曲効果、そしてVFX. これこそ大作!!って感じでした. 映画の中盤に箸休めさえあれば、このラストはもっと興奮できたのに…という若干の悔しさはあるものの、ジャック・スパロウもウィルもエリザベスもバルボッサもみんな魅力全開ですごく楽しめました. 特にベネット卿が放心状態になりながら大砲で破壊されていく階段を下りていくシーンの美しさは格別でした. あんな美しいシーンを『マウス・ハント』の監督が撮れるとは夢にも思いませんでしたよ. で、当初から一番心配していたこの映画のオチですが…ウィルとエリザベスの恋が伝説の恋に昇華された時点で綺麗に終わるのかと思いきや、ジャック・スパロウがいつも通りに千鳥足でフロリダを目指すシーンで確信しました. ディズニーはスピンオフ企画でまだまだ稼ぐ気満々だと. やっぱり『Pirates of the Caribbean』の正体は『Pirates From Disneyland』でしたね. ミッキーがジャック・スパロウの衣装を着てくれたら…とついつい願ってしまった昨日の前夜祭でした. 深夜らじお@の映画館 はジャック・スパロウのスピンオフ企画を楽しみにしています.