室伏のハンマー道、成果の銅 投てき2秒、

鉢呂吉雄経済産業相は9日の閣議後会見で、前日に野田佳彦首相らと視察に訪れた福島県東京電力福島第一原子力発電所の周辺市町村について、「市街地は人っ子一人いない、まさに死のまちという形だった」と述べた. 経産相野田首相の発言を引用し「福島の再生なくして、日本の元気な再生はない」とも述べたが、いまだ多くの人々が放射性物質がもたらす健康への被害を懸念し、住み慣れたふるさとをはなれざるをえない状況のなか、原発事故の被災地を「死のまち」と表現したことは今後問題になる可能性がある. 大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は今国会中の衆院解散も念頭に、国政進出に向けて新党を立ち上げる意向を固めた. すでに与野党の約20人の国会議員から参加の打診があり、早ければ8月中に設立準備を本格化させる方針で全国に候補者を擁立する構え. 維新が政党要件を満たして次期衆院選に臨めば民主、自民の2大政党に対抗する第3極勢力になるとみられ、政界の流動化が加速しそうだ. 橋下氏は自らの立候補については否定しているが、保守を基軸とする政界再編を目指しており、自民党安倍晋三元首相らに中核議員として参加を要請している. ただ、安倍氏は9月の党総裁選への擁立論もあり、総選挙前の維新との連携について結論を出していない. 維新は安倍氏らとは別のルートでも与野党議員と接触し、新党結成の検討作業を続けている. 8月11日には民主党松野頼久官房副長官自民党松浪健太衆院議員らと立ち上げた「道州制型統治機構研究会」の会合を開催. 松野氏は14日、朝日新聞の取材に「新党をつくるかどうかは近く決断したい」と語り、離党も視野に入れていることを明らかにした. また、大阪市特別顧問の中田宏横浜市長に近い民主、自民両党やみんなの党の議員らとも意見交換を続けている. メダルは狙っていた金色ではなかったが、室伏は感謝の言葉を口にした. 「いろんな人に支えられたおかげ」. 自己最高より7メートル以上も悪い78メートル37という記録はいま一つながらも、自らが目指してきた「ハンマー道」に一つの成果が得られたからだ. 「哲学者」. 09年から室伏の体のケアを担当する理学療法士のロバート・オオハシ氏はそう室伏を評する. 時間があれば、パソコンの動画で過去の名選手や自分の動きを研究する. 会話の中心もハンマー投げ. 母校中京大の准教授として論文も書く. 「年齢と戦う」がキーワード. そのために理学療法士から、大会にピークをあわせるすべを学んだ. 北京五輪以降、落ちていく筋力を補うため、かつての背筋中心の投げ方から、体のすべての筋肉を連動させてより少ない力で投げる方法に変えた. ハンマーを放す瞬間にかかる約350キロの重ささえも無に感じる. そんなハンマーと自分が一体化する投てきを目指してやってきた. 「自分と年齢との戦いには勝てた」. 銅メダルを獲得し、そう思った.